船頭多くして船山に登る 2011 10 1
日本には、こういう「ことわざ」があります。
「船頭多くして、船、山に登る」
意味は、「指図する人が多すぎると、統率が取れず、
意に反した方向に物事が進んでいく」ということです。
今の欧州が、このような状態です。
本来であれば、「欧州大統領」が強力なリーダーシップを発揮して、
「今、そこにある危機」を乗り越えなければならないのです。
しかしながら、欧州の政治指導者たちは、
欧州大統領を象徴的な存在にするように努力してきたと言えるでしょう。
これでは、危機を乗り越えることはできません。
危機の時に必要なのは、合議制ではなく、リーダーシップです。
ちなみに、「船頭多くして船山に登る」を英語で言うと、
「Too many cooks spoil the broth.
(料理人が多すぎるとスープがうまくできない)」となります。
こちらの方が、欧州の現状に近いかもしれません。
欧州合衆国 2011 9 24
よく言われることは、
日本の首相は、毎回、1年で交代するから、
日本は、政治力がないということです。
しかし、本当は、日本よりも、
欧州の方が政治的に問題が大きいのです。
ユーロ圏を「欧州合衆国」と見れば、
欧州合衆国の「大統領」は、日本の首相よりも弱いでしょう。
欧州の政治家たちは、
「欧州大統領」の権限を弱体化させるように努力してきたと言えるでしょう。
なぜならば、欧州大統領が強力な政治指導者になれば、
フランス大統領やドイツ首相は、「州知事」になってしまうからです。
欧州合衆国をアメリカ合衆国と比較すれば、
その問題点が、明白になります。
アメリカの場合は、いざとなれば、
国民から批判されるでしょうが、
アメリカ大統領は、何でもできます。
強権を発動することすらできます。
要するに、ユーロもEUも、
平時の体制であり、有事は想定していないのです。
欧州の迷走は、
ユーロ(EU)が解体されるか、
フランス大統領やドイツ首相が「州知事」になるか、
それまで続くでしょう。